オープンのきっかけ、経緯は?
オーナーの柳沢さんは、若いころからグラフィックやイラストレーションが好きで、よく画廊や美術館に出かけては好きな作品を楽しんでいた。いろんなコレクションを見ていく中で自分自身の「好きなアーティスト」も明確に見えてくる。もしも画廊を開くならば、こんな絵を飾ってみたい。あんなことをしてみようか。そんなイメージも膨らんでいた。
35歳の時に、目の前の旧中山道セットバック工事がきっかけで3階建てのビルを建て、1階は柳沢さんのお父様が運営していた判子屋(深明堂)。建物の2階、3階をご両親の理解もあり、柳沢さんがやってみたかったお仕事の一つとして画廊経営が始まった。
どんな場所なの?
浦和駅西口から旧中山道沿いに歩き玉蔵院の近く。何気なく上を向きながら歩いていると「柳沢画廊」という看板が目に入る。柳沢画廊はなぜか版画作家さんが中心となって個展を開いている。開廊当時は油絵作品を購入し個展で出展するとなると非常に高額であった。一方、版画作品は1~2万円程度で購入することができるため、気軽に見て「欲しいな」と思ったら購入しやすい金額だった。常に若くてクォリティーの高い作家さんの企画展を開催し、作家を応援している場所。
70歳を過ぎた柳沢さんは、これからもゆっくり楽しみながら画廊経営進めていかれるとのこと。
アートとの繋がりは?
柳沢画廊は開廊当時、近隣にはすでに「コバルト画房」や「アートスペース717」があり、画廊を運営していく上で影響を受けた店舗の一つだという。
浦和には、1951年(昭和26年)から版画家でマルチアーティストの「瑛九」が住んでいた。瑛九のご自宅に、池田満寿夫たち若手作家がよく来ていたそう。また、当時は自宅に絵画やアート作品を置く人は少なく、どちらかというと病院などの一室に飾る絵画として求められることが多かった。
アイルランドのアーティスト「リチャード・ゴーマン」との出会いをきっかけに海外アーティストとの繋がりが増える。2004年ゴーマンが、柳沢画廊で個展を開いたことがあるアイルランド、ドイツ、オランダ、日本のアーティストのグループ展をアイルランドのギャラリーで企画。柳沢さん自身1995年、2004年、2013年、2020年にアイルランドを訪れ、現在も親交は続いている。2023年6月からアイルランド人作家20人、日本人作家20人の作品を集め日本各地を巡回する展覧会がスタート。2024年には柳沢画廊が展覧会の会場になる予定だ。
住所 |
さいたま市浦和区高砂2-14-16 |
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電話番号 |
048-822-2712 |
代表 |
柳沢 敏明 |
HP | |
アーツカウンシルさいたま 市民サポーター事業(2022年度) |