薬局と地域コミュニティ
薬局で働く管理栄養士の知識や技術を生かして地域のためのこども食堂を開催し、それがTOROtoへとつながってゆく。街に薬局が溢れる時代、地域密着こそ大切な個性だと社長の林さんは考える。「会社も地域住民のひとり、一緒に地域の未来をつくる関係」。居場所づくりや学習支援など一見薬局と関係のないことにも、地域の一員として取組む。「江戸時代の川づくりを思います。江戸時代の川って、だれかがつくってくれるものではなくて、民間で、地域のみんなでやるものだったんです。TOROtoも地域のみんなでつくる、川のようなものかもしれません」。
「誰でも来ていい、居場所になったらいい」
「困っている人と困っていない人を分けたり、それをこちらが判断するのは違う。目に見えない困りごともある。誰でも来ていい、居場所になったらいい」と総務の島野さん。「みなさんが集まりやすい仕組みや環境をつくることで、出会いや関係性、様々な出来事が生まれ、私たちには想像も及ばない良い変化が起これば御の字」。TOROtoには、暮らしにまつわる本・雑誌もたくさん置いてある。島野さんは本が好きで、「人だけでなく、本との出会いも良いと思うんです」と。ごはんを食べに来るたび、楽しみに、一章ずつ読んでいく人もいるそうだ。
薬局が地域に開く、優しい場所 “TOROto”
TOROtoでは、カフェ/コワーキングスペース/地元ファームのオーガニック野菜販売/こども食堂/子どもの学習支援/くらしの保健室…etc. と、ひとことではまとめられない多様な取組をしている。セルフサービスのほうじ茶、子どもを寝かせてお茶をできるような畳スペース(電車が見える!)もある。「ここでサークル活動をするのも良いんです」と色々な使い方を歓迎。フロアにはヨガの案内や、看護師や公認心理士といった専門家に無料で相談できる『くらしの保健室』のお知らせもあり、お昼を食べに来て、ヘルスケアの情報や専門家へ自然とつながることができる。
「変わりつづけていい」
休日はよく登山に行くという社長。「人間がつくるものって、制度や効率化ばかりで、単純化しがち。でも自然はそうでないですよね。TOROtoも複雑なままに、多様でいいと思う。会社がなにか提供する形だけでなく、自立したコミュニティであってもいいと思うんです。ここに来る、出会う人たちによって、変わりつづけていい」。ヨガや野菜販売も地域の人との出会いから始まった。今後は読書会や患者の会もしたいそう。ここに居ていい、色々なことをやっていいんだと、生きる力や創造性が後押しされる。地域の人々と出会って何かやってみたい方もぜひ訪れてみてはどうですか。
住所 |
さいたま市北区土呂町2-12-20 コスモスクエア4階 |
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電話番号 |
048-729-5848 |
代表 |
林 宗一郎 |
HP/SNS | |
アーツカウンシルさいたま 市民サポーター事業(2023年度) |