どんな場所?

南浦和駅西口から(徒歩約5分)田島通りへと進むと、お蕎麦屋さんの隣りに隠れ家的お店がある。店内はギャラリースペース含め10席ほどのカフェ。アットホームな雰囲気で居心地がよい。ギャラリースペースは元和室を改装。作品を観ながらゆったり話すのによい。

オーナーは、大学生時代、北浦和で珈琲専門店のバイトをしていた。そのときに培ったドリップ珈琲の味に自信がある。コトコトの一番の人気は、とろけるような甘みの完熟マンゴー。1年を通して世界各国の旬のマンゴーを毎週空輸で取り寄せている。

オープンのきっかけは?

オープンは2019年4月14日(オーナーの誕生日)。30年前に建てた二世帯住宅。両親が他界して10年以上空いていた1階部分をカフェ&ギャラリーに改修した。野口さんは根っからの浦和っ子。定年まで都内で建築関係の仕事をしていた。小学校時代から腐れ縁の同級生に、現在、美術家として活躍している渋谷和良さんがいた。お互い50歳後半を迎え、二人で会うたび、そろそろ地域に恩返ししようと語ってきた。災害が多い日本にとって、普段からご近所さん同士が、コミュニケーションしやすい「場所」の大切さを感じ、「カフェ」をオープンした。

■何をしている?

現在、コトコトギャラリーは、個展以外に定期的に子どもたち向けのワークショップを開催したり、国蝶の「オオムラサキ」や「ジャコウアゲハ」を卵や幼虫から蝶になるまで育て子どもたちが観察できる場を提供している。ワークショップの始まりは浅見俊哉さんのワークショップ(影をつかまえる)。次にオーナー自らシュロの葉っぱでバッタを折るワークショップを開催。バッタの師匠は見沼で活動している蝶の観察会の主催者のひとりでオーナーがその後継者の一人。今ではコアなファンが集まる人気のワークショップになっている。

これからどうする?

子どもたちに「アートと自然」の楽しさを伝えることで地域に恩返したいと野口さんは語る。昨年から、さいたま市の自然緑地を守る「みどり愛護会」の活動にも参加し、天蚕(ヤママユ)の育成にも力を入れ始めた。いずれここからオリジナルの絹糸ができてくるだろう。

アートはアートだけでは成立しない。美術館のアート、公園のアート、民家のアート等、置かれる場所との関係でアートは無限に生まれてくる。そしてさいたま市は都会でありながら豊かな自然環境に恵まれている。自然とアート、この2つが結びつくことでどんなアートが生まれてくるのか。これからの展開が楽しみである。

住所

さいたま市南区南本町2-7-12

電話番号

070-4534-8652

代表

野口 敬

HP/SNS

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