どこにあるの? どんな場所?

岩槻駅東口から徒歩3分、駅前商店街の路地裏にひっそりとたたずむ入口を入ると綺麗に飾り付けられた緑豊かな庭と1階で営業しているカフェの和やかな様子が伺える。建物は、人形のまち・岩槻で創業170年の歴史を持つ人形専門店・東玉(とうぎょく)の元社員寮であり、2015年の“さいたまトリエンナーレ2016プレイベント”及び《ホームベース・プロジェクトさいたま2016》の拠点として国内外アーティストが滞在制作と公開プログラムを行った場所でもある。リノベーションスクール@岩槻を契機にこの建物を改修、2022年からレンタルスペースNook&Park(ヌックパーク)として運営されている内野さんにこの場所を始めたきっかけ、想い、展望などお話を伺った。
※内野さんは、不動産活用|空き家再生|母子居住支援|コンサルティング『アーキリンクス株式会社』代表として、空き家再生を通して人や町に寄り添う仕組み作りなどを行っている方でもある。

スペースへの想いと現状

Nook&Park(ヌックパーク)の“Nook(ヌック)”には建築用語で「こじんまりとした隠れ家的な居心地のいい場所・隅っこ・角っこ」の意味があるとのこと。事業構想段階から「子育て世代へ向けたコンセプト〜特に親世代向けの“心の充足地”をどうやって作っていけるだろう」と模索していた内野さんチームの理念と、建物を所有する人形専門店・東玉(とうぎょく)の「子を思う心を育む」という企業理念とが共鳴し、岩槻ならではの親と子が健やかに成長する場づくり“隠れ家的な居心地のいい場所”づくりが行われていると言える。

現状、建物1階部分はokami∗cafeOryzae(おかみカフェオリゼ)〜日本の伝統的な食文化の麹(こうじ)や発酵食品を使った「体が整う」ランチ、お手製のケーキなどが好評。建物2階-3階部分はYOGA教室、ベビーマッサージ、キッズフラダンス、アロママッサージ・サロンやクラフト、アーティストのアトリエスペースとしても利用されている。また、建物内廊下階段など共用部分や大きな前庭部分も子育て世代に開かれたアートイベント、花火、焚き火、BBQ、竹細工体験イベント等のスペースとして積極的に活用されている。Nook&Park(ヌックパーク)オープン当初からの想い「チャレンジする人をもっと増やしたい・サポートしたい !」というスペースの想いに共感した様々なテナントやイベント活動のスペースとして利用されている。

課題と展望

内野さんは、今後の課題と展望として、①テナント・イベント活動・スペース自体の認知度向上、②岩槻の文化発信、文化継承の役割を挙げる。特に②ついては、人形専門店・東玉(とうぎょく)との協働プロジェクト〜アップサイクル事業としての「木目込」文化を伝えるオリジナル・クラフト開発、「木目込」文化体験イベントなどをNook&Park(ヌックパーク)をはじめとした地域各地(PTA連携ー小学校チャレンジスクール等)で展開していく予定とのこと。

駅前路地裏の隠れ家的に居心地のいい場所Nook&Park(ヌックパーク)から、岩槻発の様々な新しい活動と取り組みが続々生まれてくるワクワクを感じさせてもらい心が温かくなった。是非今後の展開を注目し、そして応援していきたい。

住所

さいたま市岩槻区本町3-10-17

代表

内野 巧也

HP/SNS

アーツカウンシルさいたま 市民サポーター事業(2024年度)