オープンのきっかけ

大家さんの師岡ご夫妻が金属加工業『師岡製作所』を営まれていたが、2012 年5 月に会社を解散し、工場を何か有効に活用できないかと考えていた所、息子さんの同級生でもあるアーティストの平川恒太さんが作品制作の場として使用することになる。2012 年10 月、改修工事を経て小左誠一郎さん、伊勢周平さんの3 人の共同アトリエとしてスタートした。金属加工業時代の師岡さんの思いを残したいと『師岡制作所』とスペースを名付けた。2022 年、初期メンバーの脱退を機に新たな試みとして2 階に展示や交流できるスペースを作り、プロのアーティストの仕事を少しでも知ってもらい、地域の文化発展の拠点にしようと始めた。

どんな場所なの?

これまでの10 年間、18 名のアーティストが共同スタジオとして非公開で運営をしてきた。2022 年に改修工事を行い、アーティストランスペースとして生まれ変わった。1階には大型作品が制作できる広い作業スペースがあり、2階が作品展示スペースとイベントスペースになっている。通常は、アーティスト3名の共同スタジオで非公開だが、春と秋に企画展を行い一般に公開している。また『師岡制作所サポーター会員』になると毎月、勉強会などのイベント情報が得られ参加することができる。スペース内には有名アーティストの作品やデザイナーズ家具などが多数設置されており、プロの制作現場で『本物のアート』を体験することができる。

今後について

さいたま市は、まだ本物のアートに触れられるスペースが少なく感じる。質の高いアート作品を身近に見られる環境を作り、さいたま市の文化や生活を豊かにしていき、アート(文化)のある街作りに繋げ、さらには地元のアーティストやアートラバーが集えるミーティングスポットになればと語る。実際さいたま市には多くのアーティストが在住し制作をしているが、アーティストランスペースとして公開している場所は少なく、ミーティングスポットと呼べるアートの交流拠点も見当たらない。地元アーティストと繋がり、地元にも目を向けてもらい、海外で重要視されているアートのミーティングスポットが市内あちこちに誕生しそれらのスポットを巡れるさいたま市になればもっと豊かになるだろう。海外のアーティストランスペースとの交流やレジデンスなども今後行なっていきたいとも話された。

HP/SNS

アーツカウンシルさいたま 市民サポーター事業(2023年度)