きっかけはパンデミック期の『みつめなおし』

浦和で生まれ育った太田好泰(よしやす)さんは、30~40代を障害者アートのNPOで働き、その後50代は茨城県でタイ料理店を経営した。

さいたまに戻ってきた時、世の中は新型コロナウイルスが蔓延をはじめ世界的にもロックダウン、自宅にいることが多くなった時期・・・。

その時、今までの職業で抱えていた疑問が再び思い浮かんだ。障害者たちの親亡き後の『住まい方』、在日外国人の『住まい方』、ニュースで特集されていたシングル・マザーや、賃貸物件を借りづらい高齢者の『住まい方』はどうなっていくのだろう?

『住まいの問題』を考えたい、と思い始めたタイミングで、埼玉未来大学のシニアの起業を応援する『地域創造科・地域ビジネスコース』1期生の募集を見かけ、この課題に向き合いたいと学ぶことに。

また、妹の連れ合いの実家が空き家となり、それを活かして、『コミュニティの中で生きる』ための『みんなの居場所』を提供できるのではないか?との想いで、2022年3月NPO法人新しい住まい方研究所を設立。翌4月にコミュニティ・カフェ『コンドウハウス』をオープンした。

コミュニティの中に入るきっかけは、『食』

『みんなの居場所』の基地としたいコンドウハウスでは、タイ料理を楽しめるカフェ&レストラン『Konキッチン』をはじめ、三室・山崎子ども食堂、シニアの食堂、子どもの発達サポートサロン、大古里サロン(高齢者の相談室)、介護者カフェ三室など、タイ料理の腕を活かしながら、ボランティアさんの協力のもと活動している。

しかし、目指すところはあくまで『みんなの居場所』。コミュニティにつながるきっかけを『食』としているが、『食』を入口に地域の人たちがどのようにコミュニケーションを取り、どのような化学反応をしていくのか、期待している。

じわじわ感をもって、丁寧に

スウェーデン・デンマークで生まれた『コレクティブハウジング』(シェアハウスよりプライバシーを確保しつつも、共同の食堂やリビングがあり、その建物に住む『みんなが当事者』となって住まうスタイル)にならい、この三室地域のコミュニティの居場所として、高齢者も障害者も、誰もが主体者として暮らすことのできるコレクティブな場所を目指している。そのため、プライバシーやデリケートな問題に直面することも考えられるが、アートを取り入れアートのもつ人を繋ぐ力を活かし、丁寧に、じわじわ感をもって、今後の活動に取り組んでいきたい、とのお話しであった。

住所

さいたま市緑区三室680-1

電話番号

048-711-4990

代表

太田 好泰

HP/SNS

アーツカウンシルさいたま 市民サポーター事業(2023年度)