どんな場所?
浦和駅から徒歩10分、裏門通り沿いに位置する歴史ある工房。画材や額縁の販売と、絵画・銅版画教室を実施している。コバルト画房には、銅版画に欠かせないプレス機が3台あり、そのうち1台は店主の岸本さん自ら設計し、製作したものだそう。店内に入ると、画材や額縁の販売スペースがあり、その奥にはプレス機のある岸本さんの作業場がある。2階は絵画教室などで使用するアトリエスペースになっており、自然光が入る造りになっていた。普段はテレビ取材が来ても断っているそうだが、この度の調査を快諾してくださった。
歴史
コバルト画房はもともと岸本さんの奥様のご祖父様が創業された。ご祖父様は新聞記者だったが、戦争中は工兵として技術的作業に携わった。絵の具や画材のメーカーとして有名なホルベインの創業者と戦友になった縁で、ホルベインの絵の具を仕入れ、販売するようになったのが始まりである。コバルト画房は1948年に法人化し、本格的に営業されるようになったが、戦後まもなくは浦和駅東口方面で、空き箱の上に絵の具などを置いて販売していたそう。さらに、ものづくりが好きだったご祖父様は、額縁や画材を作って販売するようになったそうだ。
店主の岸本さん
岸本さんは、東京藝術大学で日本画を学んだ後、大学院で銅版画を始めた。コバルト画房で銅版画の製制や店の経営をするとともに、自ら銅版画教室の講師も行っている。絵画教室は岸本さんが始めた。教室を始めた頃は学校を卒業した人、若い年代の人が訪れ、プレス機をはじめとしたコバルト画房の道具を使って作品を制作していた。現在は高齢者や子育てを終えた人の参加が多いそうだ。
趣味は映画を見ること。作品づくりにおいても、刺激を受けることが重要で、映画はそれにぴったりだそう。テーブルには多くの映画のパンフレットがあった。作業中はコーヒーを飲んで音楽を聴くことが多く、作品を作るのにかかる期間は短くて1~2週間、長くて半年ほどかかるそうだ。これからの展望について尋ねると、お店をあるがままに、できるだけ長く続けていきたいと話してくださった。
住所 |
さいたま市浦和区仲町2-16-15 |
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代表 |
岸本 望 |
HP/SNS | |
アーツカウンシルさいたま 市民サポーター事業(2024年度) |